とても当たり前の事ですが。生命は尊重されなければいけないです。ですが、生命を尊重するという事はどういう事なのでしょうか。
当然、目の前の命を大切にする事は大切な事だと思います。ですが、命をもっと広義にとらえてみると、「すでに失われた命」も「これから生まれるであろう命」も命です。
私たちは先人から何を受け取り、何を後世に残せるのかという事も生命尊重の重要な要素ではないのでしょうか。
先人の功績を大切に後世に受け継いでいく事は、よく目にします。学校の授業で学ぶこともあります。しかし、戦争や差別、イジメや殺人などの過去に起きた大きな間違いを伝え、考察してゆく事も同じほど大切だと思います。
間違いの理由、間違いの原因、これらは、加害者の中だけにあるわけではなく、被害者、傍観者の中に存在することがあります。加害者、被害者、傍観者それぞれの無力さを細かく考察し、お話にしました。
観劇されたお客様には、自分の中にも間違いの種がないか自問する勇気を持って帰っていただけるよう精いっぱい作劇に努力いたします。
(作・演出 中川より)