大阪現代舞台芸術協会プロデュース
演劇エキスポ参加作品
 
遊劇舞台二月病 第史改公演 
「night way」
作・演 中川 真一
2016年2月
デパート従業員と高校教師を殺害、女子生徒を誘拐して死刑判決を受けたマスナガショウジ。彼を凶行に駆り立てたものは、自覚せずとも自身を取り巻いていた部落差別の影であった。
刑務官ムラモトアキオは、誘拐された女子生徒アキタヒトミから送られていたマスナガ宛の手紙を見つけ、死刑囚マスナガに興味を持つ。凶悪な死刑囚は非力な人間にしか見えず、閉鎖された独房と外の社会との繋がりに困惑し、そしてそんな死刑囚の刑を執行する自分自身に思い悩む。
一方、アキタヒトミは世間で流れている凶悪犯マスナガの姿と、一緒に逃走したマスナガの印象との違いが事件後も腑に落ちず、その理由を求めてマスナガと逃走した場所を巡る。

 


とても当たり前の事ですが。生命は尊重されなければいけないです。ですが、生命を尊重するという事はどういう事なのでしょうか。
当然、目の前の命を大切にする事は大切な事だと思います。ですが、命をもっと広義にとらえてみると、「すでに失われた命」も「これから生まれるであろう命」も命です。
私たちは先人から何を受け取り、何を後世に残せるのかという事も生命尊重の重要な要素ではないのでしょうか。
先人の功績を大切に後世に受け継いでいく事は、よく目にします。学校の授業で学ぶこともあります。しかし、戦争や差別、イジメや殺人などの過去に起きた大きな間違いを伝え、考察してゆく事も同じほど大切だと思います。
間違いの理由、間違いの原因、これらは、加害者の中だけにあるわけではなく、被害者、傍観者の中に存在することがあります。加害者、被害者、傍観者それぞれの無力さを細かく考察し、お話にしました。
観劇されたお客様には、自分の中にも間違いの種がないか自問する勇気を持って帰っていただけるよう精いっぱい作劇に努力いたします。
(作・演出 中川より)

 


ウイングカップ2014受賞作であり、二月病の代表作とも言える「Night way ~苗と上へ~」を改稿し、新たなキャスト、演出で復活。演劇エキスポ参加作品。

演劇エキスポ